2014年8月26日火曜日

なんなんだろう、あの魅力は

ここに何度もしつこく書いているが、わたしは過去何度もその当時のボーイフレンドに”バイ”じゃないのかという本気の疑いをかけられたことがあるくらい(恋人も本気で思ったことがあったらしい。どうでもいいがフランス語で”バイ”は”ビー”という。なんかフヌけた感じがする)それくらい女好きだ。恋愛対象は男の人だけど、それ以外のところではわたしは女の人贔屓がハンパない。
恋人以外、男の人よりも女の人に興味しんしんなのだ。
(ちなみにレズビアンの友達からは、わたしは男みたいな感じなので興味ないと言われてしまった...)


今までに本当にいろんな素敵な女性に出会ってきたけど、なかでも”ひと目みてハッ!”とさせられる人というのはそうそう頻繁にいるわけではない。だけどそういう女性のだいたいが50代以上に多い。
昔アパレルの仕事をしていた時に、パリコレ会場で伊藤美恵さんに会って彼女をひと目みた瞬間に、なんなんだこの惹き込まれるオーラは!と思った。美人かどうかではなくてなんというか、エレガンス。放つ何かがエレガントで、本当にかっこよかったのだ。その当時わたしは、彼女が何をしている人かというのはまったく知らず、当時働いていた会社の社長が彼女と話すところに立ち会っただけで、「誰この人!何このオーラ!」と思ったのを今でも覚えている。(←口に出して行ったら社長に怒られた)
それはヴィヴィアン・ウェストウッドのショー会場だったのだけど、そのショーで最後に出てきたヴィヴィアン自体も”ひと目みてハッ!”とさせられる人だった。チャーミングでチャーミングでしかたなかった。動く度にプリプリ揺れるあのお尻も!


あの魅力はいったいなんなんだろう。

そう思えばパリでは、すれ違う女性で、魅力的だなと思う人は断然50代以上の女性が多かった。年を重ねれば重ねるほどに何が増しているのか、同じフランス女性の若くて可愛らしいマドモワゼルが隣に立ったとしても、たいていはマダムの引き立て役にしかならない。それを知ってのことなのか、フランス女性は若い世代はたいてい黒やグレーの色のコーディネートが多いが、年齢を重ねた女性の方が綺麗な色や派手な差し色のコーディネートをしているように思う。
しかも、フランス人男性もまだ20代の男の子でさえ、50代以上のマダムの魅力を十分に認めていることがわかるのだ。きちんと女性として扱う。
(もちろん若いモデルみたいな人にしか興味がない男性は世界中にいる。) 

普段、日本とフランスを比較して優劣をつけたりするのは意味がないと思うのであまり好きではないが、これについてはどうしても日本を比べてしまい、日本の現代のロリータ嗜好に辟易してしまう。AKBとかはもうごめんなさい、わたしには気持ち悪すぎて...
”アンチ”エイジング思考の女性も、若さにしか興味がない男性も、わたし個人的にはあまり魅力的だとは思えない。

 Parisでアパレル展示会に居たアバンギャルドでお洒落なマダム

ただ、ここ何年かは大きな”ハッ!”とというのはなかったのだけど、この間久しぶりに本屋でぷらぷらしている時、思わず一冊の本の表紙の写真が目に留まり、”ハッ!”として手にとった。


彼女がトップデザイナーだということは知ってはいたけれど、彼女の服もわたしの趣味ではなかったので、たいして今まで「島田順子」に興味があったことはなかった。だけど、この70代の女性の写真には”ハッ!”とさせられた。自分の自然体とエレガンスのバランスを保ったスタイルで、且つ個性的でチャーミングな魅力を放つ70代の女性を初めてみた。


もちろん人それぞれ趣味があるので、魅力的だと感じる女性も違うとは思うけど、わたし個人的には年齢に抗うのではなく、年齢を楽しむ美しさがある人に魅力を感じる。せっかく今まで生きてきて構築され熟成された魅力を隠すのはもったいないと思うのだ。そして、”自分の個性とは何か”を知っている女性はかっこいいなと思う。

ブルターニュに住むとってもチャーミングな友達

でも最近気づいたのは、魅力的な人というのは結局どの時代のどこを切り取っても、何かその人独特の魅力的なカケラがあるのだろうということ。 年をとるにつれてその魅力のカケラが大きくなっているだけなのだ。
周りの女友達たちを見ると本当に美しくて頼もしい。綺麗な人たちだなと思う。周りの男友達はそのほとんどが年上のおっさんたちだけど、彼らは悪ガキみたいな風なのに優しくて穏やかだ。彼女たちや彼らのその魅力のカケラに気づいては、いつもその眩しさに目を細める。

Parisの好きなブティックのマダム


もうすぐまたひとつ年をとる。やっぱりそれはワクワクする。30代もまだ前半チームのくせして、もう70代の女性が憧れの対象範疇に入ってきている。そんな焦るなよーとも思うし、70代の女性の魅力に気づけるようになってよかったなとも思う。

そういえばこの年になってようやく自然の中にいることの心地よさに気づいた。心地よさというか面白さという方が近いかもしれないけど。我ながらびっくりするけれど、こんな感覚初めてだったのだ。ドラキュラみたいな生活をしてた時からは想像できないこの穏やかさ!単に年をとったんだなと思うけど(笑)
でも、そうするとどういうつながりなのか、身近にいる人たちを今まで以上に心から尊敬できるようになった。 大切な人たちを愛おしく思う。そんな魅力的でいてくれてありがとうと思う。

何歳になっても、人の魅力に気づけるような自分でいたいなと思う。






2014年8月19日火曜日

チーズってみんなどれぐらい食べてる?

先月、友達に誘われて「チーズの会」という講座に参加した。
日本人が家庭で1ヶ月に平均どれくらいチーズを食べてると思うかという質問に講師の人に当てられ、「え~、う~ん2kgぐらい?」と答えた。


答えは200g。大ハズレ。「え!1ヶ月で200g?!それは少ないすぎじゃないのか!!」とリアクションをするのはわたしと、わたしを誘った友達Tのみ。ちなみにその日本の200gというのも、スライスチーズとかとろけるチーズとか、6Pチーズとかそういう種類のものだそう。
本当にそんなに日本家庭ではチーズを食べないのだろうか...?友達のTなんて、ほぼ毎日料理に使うなんて言っている。

わたしはというと、毎日コンスタントに食べるわけではないけれど、だけどわたしの家の冷蔵庫から200gのチーズがひとたび外に出たなら、へたするとその日限りでチーズは冷蔵庫に舞い戻ることがない。もちろんわたしもチーズは大好物だけど、わたしの恋人ならひとりで200gはきっとぺろりと食べてしまう。チーズ売り場でチーズを選んでいる時の彼の真剣な眼差しと、それを食べる時の嬉々とした顔をみると、”あ!この人フランス人だったんだ。そうでした、そうでした!”と思い出す。
ちなみに世界で一番1ヶ月にチーズを食べているのが、フランスで、1ヶ月の平均2.6Kgだそう。


今は日本でも街なかにもチーズ専門店があったり百貨店でチーズ売り場があるので、美味しいチーズを買うことができるけど、やっぱり日本はチーズが高い!意味がないと思いつつも、どうしてもどうしてもフランスで買う時の値段とケチ臭く比較してしまい、わたしと恋人は肩を落とす。
パリに住んでいた頃、よくスーパーで買っていたチーズにLe pié d'angloys (ル・ピエ・ダングロワ)というものがあるんだけど、フランスだと2.5ユーロ(約350円)くらいだったと思う。それが日本で買おうものなら、1500円くらいする。フランスだとスーパーで買うチーズの類なので、それに1500円!!手にとって値段見て、ひ~!となって、それから肩を落として、そしてそっと売り場に戻す。


で、美味しいチーズは日本で高すぎてそんなに頻繁にはたくさん買えないので、わたしは時々スーパーで日本のメーカーのチーズを買うこともある。その中でもまだ悪くないなと思えるカマンベールがあり、この間恋人にそれを紹介してみた。反応はというと、
「う~ん、まあ、悪くないね。でもこれはLe camembert(ル・カモンベール)とは悪いけど呼べないね。そうだな~、これは”ラ・かまんべーら”だね。」
”我ながらうまいことを言う”みたいな顔をしている。 なんだかくやしい。

どうでもいいけど、わたしは日本のQPチーズとか6Pチーズとかの類のチーズが好きではない。だけど、スナック菓子とかアイスクリームの「チーズ味」は好きで、中でもブルーベリーチーズ味のアイスとか結構好きで、時々買って食べる。で、彼はそういう「チーズ味」のものをわたしが食べているのを見て、気持ち悪そうに「そのチーズ味っていったい何チーズの味なの?」と聞いてくる。
そういえば、よく見るチーズ味というのは何味なんだろう。とりあえず、よくわからないけど、”日本人がイメージするチーズ”味というざっくりしたものなんだろう。だいたいカマンベールやブルーチーズ味でないことはたしかだ。

それから、わたしと彼の間では、ややこしいので(←自分たちが)、フランスのチーズを”フロマージュ”、日本のチーズを”ち~ず”と呼ぶことにして、別物として認識している。


やっぱりその土地でできたものを食べることが、安上がりでしかも状態もよいものを口にできるってことはよーく存じ上げてはいるんだけど...。やっぱチーズはねー。美味しいもんな~。
あ、あとチョコレートも。これははずせない。

なので、いつもはケチケチしてる分、何かのパーティとか、クリスマスとか特別な時には秘密のルートに頼んでどーんと仕入れて、思う存分堪能する。



ちなみに、前述のLe pié d'angloys (ル・ピエ・ダングロワ)、この名前の意味はというと『イギリス人の足』...!
この意味を知った時、こんな独特のクセのある匂いの食べ物にそんな命名するなんて、フランス人てなんて意地の悪い人たちなんだろうかと思った(笑)
いや、まろやかで比較的クセもないウォッシュタイプの美味しいフロマージュなんだけど。
味は...そうそう、イギリス人の足って感じww

なんてこんなことつらつら書いてるけど、豆腐と納豆が大好物で、あんこ大好き。結局は雑食というだけなのだ。美味しかったらなんでもよい♡
誰が何を何グラム食べていようがどうでもよい(笑)
美味しいチーズがイギリス人の足味でも...よいのだ!
(あ!今度彼にチーズ味のアイスが何味が聞かれたら、「イギリス人の足の味」って答えよう!なんだかよくわからないけど、悔し紛れにそうしてみよう!)


★★★美味しいつながりでちょっと告知します★★★
主催をしているフランス語教室サロン・デュ・フランセ主催の
フランス文化講座を今週の土曜日開催いたします♪
”おいしい”をきっかけに広がるフランス文化講座です。(講座は日本語で行います)
ご興味がある方はぜひお越しください。

8月23日14時ー15:30
『シリルの”おいしい”から始まるフランス文化講座』
詳細はこちらへ



2014年8月6日水曜日

女友達という生き物

気のおけない女友達というものはなんでこんなに居心地がよいのだろうかと思う。他愛もないことから仕事のこと、恋愛のこと、ちょっとした打ち明け話、話題はつきず、永遠話をしている。大好きな店でとびきり美味しい料理を食べながらだと、一層テンションはあがる。ビール片手に焼き鳥でもいいし、知り合いの美味しいイタリア料理屋さんでもいい。少し落ちこんでいる時はゆっくりカフェで話をしたりと、とりあえず、なんでもいいのだけど。


ふと考えてみると、周りにいる女友達はそれぞれに、何かしらどっか変でおもしろい女性たちだ。もちろん外見もきちんと綺麗にしていてベッピンさんたちなんだけど、外見よりもその個性的な中身がそれぞれ滲みでているので、とっても魅力的。

昔からなにかと年上の女の人と遊んだりすることが多くて、20代の頃は、自分よりも年下の女の子に対しては何をどう話していいのかよくわからなくて苦手だったけれど、やっと30代に入ってポツポツとようやく年下の女の子とも遊べるようになった。最近は人の年齢の境がよくわからなくなってきたので、話して楽しい、居て心地良いを基準にしていると相手の年齢なんてどーでもいい。
ただ、わたしがあんまりチャキチャキと場を取り仕切ったりできるタイプではないので(酔っ払ったらとくに適当さに拍車がかかる)、周りにはおのずとけっこう頼りがいのある女たちが集まっているような気がする。もちろん料理の取り分けが上手な人たちばかり♡ww


お産で3,4ヶ月くらい実家に帰省していた親友が帰ってきた。その日親友の赤ちゃんに会いに彼女の家まで行って、子供をだっこしたり、旦那さんと話したりしながら、ちょうどそのあとに予定を入れていたので、2時間くらいお邪魔したあと、「じゃあねー。また来るね~!」
なんて言って新居をあとしにした。

で、その夜親友から電話がかかってきた。
「大丈夫?さっき、話ちゃんと聞けなかったから。」と彼女は言う。
さすがだ。この勘のよさ、びっくりした。
わたしのさらっとした近況報告で、昼間何をすぐさま察知したのか、親友という生き物はこんなふうに電話をよこす。わたしのちょっとしたしぐさとか、なんか考えてそうな空気感とかに敏感なのだ。

この細やかな女友達特有の優しさに久しぶりに触れて、このお見通し感にびっくりした。


で、最近思うのは、やっぱり女というものは、パワーがある生き物だなと思う。男の人にももちろんパワーがあるのだけど、女のそれとは種類が違うよう に思う。もちろん人にもよるけれど、なんというか他人を元気にさせるパワーがあるように思う。いつも大好きな女友達と会った後は、身体と心のエネルギーが 充電されているのだ。

とにかく女友達という生き物は、その外見に思いもよらずタフで、大事なもののエネルギーの変動を察知する鋭い嗅覚とそれを包み込む優しさを持つ、それはそれは魅力的な素敵な生き物だ。
しかも料理の取り分けが上手!(←しつこいww)

料理の色が本当に綺麗で、とびきりに美味しい大名にあるイタリアレストラン 「ニコーラ」