そして先日、ある場所に一歩入った瞬間にまた、それが起こった。
古い瓶に貼られたラベル、書かれた植物の名前をそっと指先でなぞる。
スポイドからとろり、とろりと垂れる花のエキス。押しつぶしてしまわないように、乾いた葉たちをそろりと手のひらで掬う。ハーブを丁寧にすり潰す。目を瞑る。立ち昇る香りをゆっくり吸い込む。
身体を知る。自然に触れる。宇宙との繋がりを認識する。
蘇る記憶の欠片をスプーンで掬う。月の光を数滴とろりと垂らす。
小さな古い扉。首からさげたペンダント。鍵穴の埃を払い、そっとそれを差し込む。
月の光と緑のうたの世界。緑の指が誘う、書物との密会。
例の強くてそれでいて優しい光。それはその扉を開けた瞬間だった。
”月の香りを感じたり、黒色の官能を選んだり、揺れるスカートで現実を少し覆って、ひとりにやりと匂いに潜む秘密の記憶を楽しむ。アーモンドを少し齧る。言い訳の赤色を愛する指でぬぐってもらう。お湯の中に体を沈めて、耳までそっと入れる。目を閉じる。ろうそくの光が滲む水の色を味わう。揺れるリズムに身を委ねる。”
✳︎ずっと書けていなかったこと、「ホメオパシーのこと」はここからどうぞ✳︎
愛しい日々の連続を♡
色の旋律
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