2015年8月20日木曜日

場所と体とアムールと

不思議なもので、自分の居る場所が変わっただけで、体や気持ちが楽になるということがある。体が変わったり、その人が持つ雰囲気も変わったり、人によっては分かりやすく人相まで変わる。


フランスに来て、なんというか、今まで以上に楽になった。体の面も。気持ちの面も。6年前Parisに住み始めた時も同じように感じたので、フランスの気候なのか、もしくはこの土地の持つ周波数のようなものが自分に合っているのだろう。あるいは湿気のせいなのかなとも考える。わたしは湿気にかなり弱くて、湿気が多いと体調を崩しやすい。気圧の変化にも少し敏感で、一種の低気圧アレルギーのようなところがある。湿気が少ない土地にきて、ただ体が楽になっただけのことかもしれない。

楽になったようなのは恋人も同じようで、日本に居るときの彼はもう少し繊細でどこか少し気むずかしいイメージがわたしの中にあった。3か月ぶりにあった彼は、その気むずかしさは驚くほどなくなっていて、おおらかになって、もともと穏やかで優しい人だけれど、もっと楽しい空気を増した雰囲気を醸し出すようになっていた。彼にとってはフランスが母国なので、もちろん気が楽になるだろうと思う。彼が日本という外国できついことがあった時も知っている。わたしたちはここにきて、今までよりもっとふたりで気持ちを楽にして居られるようになった。


自分自身が精神的に安定すること、精神的な自立がどれだけ大切なことか、ここ2,3年くらいの中で体感した。人は、モノに、人に、環境に依存しやすくて、目を話した隙にすぐに何かに依存しようとしてしまう。精神的に自立するために何が必要なのか、何が不必要なのか、それを探し求めることにことさら集中した時期もあった。
自分が精神的に自立していくにつれ、周りとの関係も変わってきて、どんどん楽になって、いろんなものが自然に流れるようになった。感覚は敏感になるけれど、不安には鈍感になってあんまり一喜一憂しなくなるような感じ。そうなると、精神的に安定しているからその状況になるのか、もしくは安定することを求めているからその状況を選んでいるのかわからなくなるのだけれど、多分そのどちらもそうで、最初からそういうものなのかもしれない。
フランスに来たから自分自身が今まで以上に楽になったのか、もしくは自分が楽になったからフランスに来たのか、おそらくそのどちらでもあるのだろう。


フランス人、この人たちの多くは(全員がそうではないと思うけれど)、いとも自然に言葉で、態度で、表情で、体全体で、気持ちを表現する。もちろん、これはいい意味でも悪い意味でも。(直接的な態度や言葉に慣れていない人にとっては、戸惑うこともあるだろうと思う。)このことはフランスに来て改めてわたしに、恋人はフランス人だったのだと認識させた。
彼は、日常生活の上で、大事な人同士は体の触れ合いが大事だと、日本に居る時からわたしに言い続けてきて、身をもってわたしに教え続けてくれた。恋人同士はもちろん、友達同士や家族で、愛情を言葉でもたっぷりと、それだけではなく、肌でも伝えること。電話で彼はお父さんと、もしくはお母さんや兄弟と話しているとき、何か辛そうなことがあったり安心させたい時があれば必ず”Je t'aime”(ジュ テーム 愛してるよ)と伝えている。それから例えば、相手が辛そうにしている時、肩を撫でたり抱きしめたりする。
相手を大事に思うことを、相手の体に直接伝えること。今までのわたしに不足していたことだった。彼と居るようになり、その感覚を少しずつ取り戻し、体のつながりは子供にだけ必要なわけではなく大人にとってもどれだけ大切かを知った。

わたしがフランスに着いて2日目、彼のお母さんは「大丈夫?長旅で疲れたでしょう?」と後ろからわたしの両方の肩をゆっくり撫でた。
こういうことを自然に大人同士でもし合えるということは、その分やっぱり体が、気持ちが、楽になる。


そして例えば恋人と。些細なことを”話合わなかった”ことで誤解が生じて、そこからお互いのエゴが大きくなって、何かのせいにしたくなって相手を傷つける言葉を使ってしまう、なんてことも起こったりして、恋人がふと「僕たちは全然まだまだ自分自身のエゴにとらわれているね。」なんて言って、ふたりで苦笑する。


精神的な安定のほうへ向かえば向かうほど、わたしはどこまでいっても動物なのだ感じさせられる。体の温もりだとか、元気にする食べ物だとか、その土地の匂いだとかその土地の空気だとか、それらに包まれる心地よさを本能で知っているし、その方向に向かおうとする。それから、エゴが決して敵ではないこともわかるようになる。


何を言いたいのかといえば、よくわからない(笑)
ただ、もし例えば体調がよくないとか、何かに不安を抱いているとか、精神的に安定できていないと感じる人がいるなら、少しの間でも例えば自分の居る場所を自分の鼻が利く方へ変えてみるというのもひとつの方法かもしれないな、と、この南仏の深い突き抜ける青と、海の輪郭の色を知って、ふと思った。それから、本当は最終的な優しい場所はいつも自分の中の奥の奥の方にあることを知れたらと思う。


毎日愛しい笑顔で誰かと笑いながら、ひとりの時、今の状況から抜け出せないと不安に沈む夜を抱える大切な友人たちへ。大切なことのためにこれから何かに挑戦しようとしている頼もしい友人たちへ。風にのせてAmourを♡



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このブログとは別に、フランスの生活を中心にした、見ること、聞くこと、食べること...etc、フランスの魅力をイロトリドリたっぷり紹介するブログができました♡ ほぼ毎日更新しますので、日々の楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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