2015年11月10日火曜日

フランスへ本帰国

3ヶ月ぶりに日本に帰ってきた。フランスに住むためのビザの手続きのための帰国なので、短期間の滞在。日本に着くなりすぐ東京のフランス大使館へ手続きしに行き、1週間以上はかかるだろうと踏んでいた予想を下回り、4日ほどでビザ付きパスポートが家に届く。
この3ヶ月のフランス滞在で、どれだけ日本 が生活する上で便利か、便利な生活雑貨に溢れているかを実感し、短期間の滞在にかかわらず、スーツケースは大量の本と便利グッズで埋め尽くされていった。

久しぶりに会った弟に、フランスで生活する上で”なにかにつけていちいち時間がかかること”や、”フランス人の段取り苦手なラテン気質にどれだけ振り回されるか”など面白おかしく話していたら、ポツリと弟がわたしに言った。
「じゃあさ、旦那さんと暮らすことを除いたとしてさ、結局のところ、フランスで生活する魅力って何なの?やっぱり日本のほうが何かと暮らしやすそうだし、フランスで暮らすって面倒くさそう~。」

おばあちゃん秘伝の塩昆布。これがなくては生きていけない 

実際、パリに住んでいた時もそうだし、今回のフランス3ヶ月間でもそうだったけど、「なんでいちいちこんな時間かかるんだ!」と叫びそうになることは、 何百回とあった。今回の短期日本滞在でも、ストや大幅な遅れ(←理由不明)の交通機関に煩わされることもなく、治安もよくて、歩道は足元に仕掛けられた爆弾を気にせず前だけ向いて歩けることに、いちいち感動していた。。フランスは歩道に犬の糞がいっぱい落ちているw
日本では街行く人の着こなしをみているだけで、あ、秋なんだななんて季節を感じることもできるし。フランスでは、着ているものはみんなてんでバラバラ、好きなように暑ければ11月だってタンクトップだし、水着で海辺に寝そべって日光浴だってする。
それから何より和食はやっぱり美味しいし。

色合わせやカタチなど、日本文化の美意識は素晴らしい。改めて。

でもひとつひとつ何かにつけて段取りよく、先回りしてオーガナイズされているものに囲まれていると、だんだんなんだか胸の上のあたりがキューっと収縮してくるのを感じた。段取りよく守備よく取り揃えられているということは、自分の知らない間に誰かが何かを先回りして考え、気を回して整えているということだ。 もちろんこれは本当にありがたいことだと思う。でも時々自分の行動の遅さにドキドキ焦ってきたりする。むしょうに、なんにも考えなくて手放しにいるような開放感をとてつもなく欲する瞬間がある。日本にいると、何か自分が失敗してしまったとき、その段取りをしてくれた人たちの期待を裏切ったような申し訳ない気持ちになってしまって、そういう時、あのフランス人特有の「C'est pas grave!」(全然問題ないよ~)をどうしようもなく欲するのだ。

湯豆腐に椎茸に小芋に菜っ葉に柚子...日本って最高!

便利グッズもあんまりないし、誰も段取りなんかしてくれないけれど、家を一歩でれば、フランスの街が持つ美しさに体をまるごとじゃぶっと浸すことができるような感覚は、何ものにも変えがたいと思う。フランスで生活していると、物質的な感覚ではなく、ある独特の美的な感覚が呼び起こされる。外見にお金をかけることと同じように、自分が歩いている空間、住んでいる空間、食べているもの、話す言葉、考えること、会話すること、色彩の感覚、街と調和することを大事にしたいと、なぜかフランスではより強く思う。どこにいたっておんなじはずなのに、なぜだろうか。

具沢山の家のお蕎麦が大好物

だからさ、結局のところ、フランスの魅力って何なの?
この問いかけは、わたしをわくわくさせた。まだまだわたしはこのことを人に説明できる明確な言葉を持たない。でも確かにある。こうなったらどっぷり浸かってそのフランスの魅力を体現してやろうじゃないか、なんていう思いがむくむくと立ち込めてきた。

Je t'aime maman

待ち合わせに遅れるのはやっぱり変わらないし、行き当たりばったりで行動しようとするし、先回りして何かを考えることを放棄してしまったわたしを、優しく見 守ってくれる日本の家族に、友人たちにこれまで以上に愛しさを感じながら、ひゅいーんとひとっ飛び、フランスに帰ろう。

気を回したり段取りすることをちょっと放棄したくなったら、いつでもフランスに遊びにきてくださいw
何かにつけて時間はかかるけれど、放ったらかしにしながら気持ちよ~くさせます(笑)
みなさんも、愛しい日々の連続を♡

Louの髪型が可愛いすぎて、10年ぶりに切った前髪で、抹茶。





0 件のコメント:

コメントを投稿