collages by Dain |
幼少の頃、楽器の演奏のために鍛錬されたわたしの耳は、音高を敏感に感じ取る絶対音感を習得した。大人になった今でも、細かな音の高さや音色の違いが気になって仕方がない。例えば、フランス人ではない人が発するフランス語の発音の癖、これが気になって仕方がない(英語の場合も然り)。フランス語とはまた違う言語に聞こえてしまい、いつも途中でうまく聞き取れなくなってしまう。それに加えて、自分の発音の狂いも気になって仕方がない。自分の口から発した発音とネイティブから普段発される発音との違いが二重に重なって頭に響くので、その差の不協和音にイライラする。これはわたしの超神経質なところのひとつで、どうしても無視することができない。フランスに来てからこの3年弱、この神経症は続いている。
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この間、中医学の整体の先生に、「君の耳はある一定の物事が聞こえていない。耳の機能自体は問題がないから、これは精神的なものなんだけどね。ある一定の音をブロックしているんだよ。」と言われた。
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夜、友達のカフェに仲間たちと集まってテラスで話している時、なぜか耳の話題になった。わたしが自分の耳の形が嫌いだと言うと、周りの男子たちはそらいい獲物を見つけたとばかりに、携帯の懐中電灯でわたしの耳をピカリと照らし、わたしの耳を引っ張りだして遊びだす。自分の体の一部が嫌いなんて情けないよと、フランス人たちは全くこちらの気持ちを汲んでくれない。日頃隠されているわたしの耳は、不本意なスポットライトを当てられ、萎縮して少ししぼんでたりするかもと期待したけれど、やっぱりピンと立ちあがったままだった。
聞こえ過ぎたり、聞こえなかったり。心と体、内側と外界は体のあらゆる部分を通してつながりをみせる。他人には全くどうでもいいであろう耳問題、わたしは密かに研究を進めている...w
愛しい日々の連続を♡
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